オルゴールが鳴る夜、何度でもきみの元へ
2話:潮の香りがする町
四月の風は、まだ少し冷たくて、ふわっと香る花の匂いだけが春の訪れを教えてくれる。
目の前に広がる優しい夕焼けに包まれた海は、見慣れない景色。
だけど、綺麗な景色が好きな私にとって、あっという間に大好きな景色になった。
私は、かばんからA5サイズの本を取り出した。
ハードカバーを開いてひざにのせ、真っ白なページに今日の日付を書き込む。
2026.4.15
肩までの黒髪をひとつに結んだ私は、色鉛筆がたくさん入ったペンケースを防波堤に置いて、目の前に広がる大きな海を描き始めた。
背中を少し丸めながら、夢中で色鉛筆を走らせる。
……今日から、また新生活。
放課後になっても、転校初日だった今日の重たい気持ちはまだ消えていなかった。
「いいの、別に。どうせまたすぐ転校するんだし」
小さな呟きは、穏やかな海のさざなみに馴染んで消えていく。
どれだけ強がってみても、胸の奥にはどうしようもない寂しさが広がっていた。
目の前に広がる優しい夕焼けに包まれた海は、見慣れない景色。
だけど、綺麗な景色が好きな私にとって、あっという間に大好きな景色になった。
私は、かばんからA5サイズの本を取り出した。
ハードカバーを開いてひざにのせ、真っ白なページに今日の日付を書き込む。
2026.4.15
肩までの黒髪をひとつに結んだ私は、色鉛筆がたくさん入ったペンケースを防波堤に置いて、目の前に広がる大きな海を描き始めた。
背中を少し丸めながら、夢中で色鉛筆を走らせる。
……今日から、また新生活。
放課後になっても、転校初日だった今日の重たい気持ちはまだ消えていなかった。
「いいの、別に。どうせまたすぐ転校するんだし」
小さな呟きは、穏やかな海のさざなみに馴染んで消えていく。
どれだけ強がってみても、胸の奥にはどうしようもない寂しさが広がっていた。