アラフォーバツイチ、花ざかり。
 彼に聞こえてしまいそうなくらい心臓をバクバクさせて硬直していると、私たちの横を傘を差したふたりの男性が話しながら通り過ぎていった。

 抱き合っているところを見られただろうか。恥ずかしいのに、私を抱きしめる腕はまだ力が緩められない。

「と、透也……?」

 本当にどうしたのかと困惑が大きくなってきて、おずおずと彼を見上げる。そこでやっと解放され、どこか切なげで熱っぽい瞳が視界に入った。

 彼はひとつ息を吐き、一瞬私の服に視線を落としたかと思うと、なんだか気まずそうにふっと目を逸らした。

「いくらアラフォーでも、さすがにその姿を男に見られたら危険だろ」

 そう言われ、私もきょとんとして自分の服を見下ろす。ジャケットでも隠せなかった白いブラウスが濡れ、胸にぴったりくっついてブラが透けている……。

 気づいた瞬間、沸騰したみたいにかあっと顔が熱くなり、「ひゃぁ!」と変な叫び声が出た。慌ててジャケットを胸に抱いて隠すけれど、すでに見られた後だしめちゃくちゃ恥ずかしい!

 そうか、さっき歩いてきた男性たちに見られないように、ハグして隠してくれていたのね。それは納得したしありがたいけれど……ちょっと色っぽい展開かと思ってしまったじゃないか。

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