アラフォーバツイチ、花ざかり。
『あなたを理解できたこと!』

 嬉しそうに表情を輝かせて言われ、俺は心臓がどくんと反応したのを自覚した。

 そうだ、真琴の言葉は誰よりもまっすぐ俺の心に届くのだ。おそらく、どれも本心で口にしているから。

 変に遠慮をせず、自分をよく見せようとしたり媚びたりもしない。そういう飾らないところや、決して優しい人間ではない俺に対してもいい部分を見出してくれるところに惹かれるのだと気づいた。

 彼女と一緒にいると、俺もまだ成長できるような気さえする。もう変わり映えしないだろうと思っていた残りの人生に、シャンデリアの明かりが灯ったようにわくわくする。

 だから、若い連中に絡まれた彼女を助けた後、『真琴はいい女だよ』と言ったのもでたらめなんかではない。俺はきっと、この時から真琴をひとりの女性として愛しく想い始めていたのだろう。

 女は信じられないと言いながら、彼女のことは信じたい気持ちが強くなっている。これはもう、恋と呼んでいいのではないか。

 まさか再びこんな感情を抱くことになるとは。

 永遠を誓い合った人が、俺にくれた言葉も愛も、すべて虚像だったのかもしれないと信じられなくなった日から、もう誰も愛せそうにないと諦めていたのに──。


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