アラフォーバツイチ、花ざかり。
 純粋に感心しているような彼に、俺はバツの悪い苦笑を漏らして呟いたものの、それは聞こえていないようだった。

 吉井くんも常に愛想がよく、今日もにこにこと人懐っこく問いかけてくる。

「網坂さん、お昼食べました? 俺、今ちょうどなにか買おうと思ってたんすけど、よかったら一緒にどうですか? ピザが美味しいって聞いたし」

 その提案に、俺はぴくりと反応する。

 真琴の元旦那がどんなやつか見られればそれでよくて、実際に接するつもりはなかったが、なんとなく「ああ、そうしよう」と頷いていた。

 ひどい男なら真琴が元サヤに納まる可能性はないだろうと思っていたのに、想像と違っていい男だったものだから、悪い部分を見つけたくなっているのだろうか。自分の器の小ささに嫌気が差すな……。

 とはいえ了承してしまったので、なにも知らない吉井くんとピザ屋の列に並ぶ。キッチンカーで買うなんて何年ぶりだろうか。しかもいい歳した男ふたりで。

 俺たちの番になると、元旦那は「いらっしゃいませ!」と明るく挨拶をした。近くで見ても三十代後半とは思えないアイドル顔だし、きっとさぞかしモテるだろう。

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