アラフォーバツイチ、花ざかり。
 あの人にも聞かれていたなんて! 恥ずかしすぎる。でも、『あなたの考え方も好き』か……。

 若い頃なら、どんな意味であれ〝好き〟なんて言われたらドキッとしたものだ。今はもうそんなに単純ではないけれど、悪い気はしない。まあ、本心なのか冗談かわからないけれど。

 落ち着きと年相応の余裕があるのに、ちょっと意地悪な人だったな。でもあの意見は的確だったし、専門的な知識がありそう。

 設計士か建築士、現場監督の可能性もあるか。いずれにせよ、彼がどんな仕事をするのかも見てみたいところね……。

 なんて考えていると、男性と入れ替わりでやってきた新たなお客様に「すみません、まだいいですか?」と声をかけられた。ぱっと切り替えて案内を再開する。

 今日のように少々頭にくることもあるけれど、この仕事は楽しい。ちゃんと働いているだけで偉い!と、自分を甘やかして生きている。



 一週間の仕事を無事終えた金曜の夜、私は行きつけの炭火焼きの居酒屋へ向かった。

 シックな和テイストの店内は、隠れ家的な個室が中心でとても落ち着く。今は気心知れた仲間三人と、おこもり感満載の屋根裏部屋みたいなロフト席で料理とお酒を楽しんでいる。

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