アラフォーバツイチ、花ざかり。
 住宅設備機器のメーカーに勤める吉井くんは仕事を通じて知り合い、話の流れでバツイチだとわかった彼がこの同盟の話をして誘ったらしい。網坂さんは面白そうだと興味を持って来てくれたようだけれど、その気にさせる吉井くんのコミュ力にも感心する。

 網坂さんはビールを飲みながら、どの質問にも面倒くさがらず答えてくれている。今は軽井沢での話だ。

「覚悟はしてましたけど、やっぱり軽井沢の冬はかなり寒かったです。外で笑うだけで前歯が凍りそうになりました」
「ははっ、わかる。芯から凍る寒さなんだよな」
「でも、僕もああいう雰囲気のいいところに別荘建ててみたいっす。それか移住したい」

 笑いも交えて話す彼にカジさんが頷き、吉井くんが羨ましそうに言った。

 つい〝別荘〟に反応してしまうのは、やはりそれに関する業種の私たちだ。

「軽井沢は年々地価が上がってるから厳しいよ。別荘はメンテナンスが必須だから、維持費がハンパじゃないし」
「そう。今言ったみたいに冬は極寒で雪も降るから、その気候に適した建材を使ってあれこれ対策するとさらに費用がかかる」
「ふたりとも、夢のないこと言わない」

 私に続いて網坂さんまでデメリットを言うので、吉井くんが仏頂面になり、カジさんたちはおかしそうに笑った。

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