アラフォーバツイチ、花ざかり。
「それじゃつまんなーい! マコさんには幸せになってほしー!」
「どーしたどーした」

 酔いが回ってきて駄々っ子みたいになる瑠利ちゃんに、カジさんたちが反応する。

 こうやって私を慕ってくれる子がいて、気を遣わない仲間と心から笑えている今もそれなりに幸せだ。彼女の背中をぽんぽんと撫で、「ありがとね」と伝えておいた。

 そのうち瑠利ちゃんと吉井くんがトイレに行くと言い、カジさんも煙草を吸いたくなったらしく三人で席を立つ。網坂さんとふたりで取り残されてしまった。

 なんとなく気まずさを感じつつ、私はお酒に手を伸ばして口を開く。

「……まさかバツイチだったとは」
「お互いにね」

 網坂さんは徳利を持ち、私のお猪口に近づけてきた。カジさんといい気が利くなと、ありがたくお酌していただく。

「内海さんは? 元旦那とダメになった原因」

 透明なお酒が注がれるのを見つめているとそう問いかけられ、懐かしい人の姿が脳裏をよぎった。 もう思い出しても胸は痛まないし、これも今となっては笑い話だ。

「ヒモになりそうだったの、彼が」

 端的に答えてお猪口に口をつける私に、網坂さんの瞳がちらりと向けられる。

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