アラフォーバツイチ、花ざかり。
「仕事はしてたけど、『嫌だ、辞めたい』が口癖で、私に内緒でパチンコ屋に行ったりしてて。『マコが養って』って言われた時に〝あ、ダメだこの人〟ってなった。冗談だとわかってても笑えなかったわ」
「なるほど。甲斐性のない男だったんだな」

 網坂さんの言う通りで、私は自嘲気味の笑いをこぼして頷いた。

 三歳年下の元旦那は、甘え上手で可愛い人だった。母性本能をくすぐられて、彼の虜になる女性はたくさんいただろうし、私もそのうちのひとりだったと自負している。

『一生一緒にいたい』とプロポーズされた時、『ギャンブルは絶対しないでね』としっかり約束した。向こうも承知したので信じたけれど、結局それはあっさり破られてしまったので、私も浅はかだったなと思う。

 テーブルに頬杖をつき、ぼんやり遠い目をして呟く。

「マイホーム建てたかったな……」
「今からでも建てられるんじゃないか? 金銭的に厳しいなら中古の家を買って、君お得意のリフォームをする手もある」
「お得意って」

 確かに『限られたものの中で知恵を絞って暮らしていく』というのはリフォームにも当てはまるけれども、とこの間の自分の発言を思い出して苦笑する。

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