アラフォーバツイチ、花ざかり。
「なにもいりませんよー。本当にいいと思ったから言ってるだけだし。対する私は、すごく低いところで悩んでるんだなぁ」

 私は遠く及ばない人だと実感するともう悔しさは湧かなくて、本音を吐露していた。

 ぐいっとカフェオレを飲む私を見ていた網坂さんは、考えを巡らすような間を置いてから口を開く。

「君が作ってるコンテストの作品、今見られるか?」
「あ、うん、写真なら。でも……」
「一生懸命作ってるもの、けなしたりしないから」

 温かみのあるひと言をかけられ、拙い作品だからとためらう私の心が揺れた。

 この人、根は優しいのかもしれない。真剣な瞳と差し出された大きな手のひらを見て漠然と思い、私はスマホを操作して彼の手に渡した。

 網坂さんが画像を拡大してじっくり眺め始め、少しドキドキしながら評価を待つ。オレンジ色の夕日に包まれる中ふたりで座っていると、なんだか教室にいるみたいで、遠い学生時代の放課後にタイムスリップしたような気がした。

 沈黙も心地悪くはないけれど、ふと大事なことを言いそびれていたのを思い出した私は「あの」と声をかける。

「この間は、ごめんなさい。ちょっと言い過ぎました」

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