アラフォーバツイチ、花ざかり。
 肩をすくめてなぜか敬語で謝る私を、顔を上げた網坂さんがぽかんとして見てくる。

「ん? なんだっけ」
「ほら、あの……元奥様のこととか、なにも知らないくせに勝手なこと言っちゃったから、嫌な気分にさせたかなって」

 バツの悪さで伏し目がちに言うと、彼はやっと思い出したらしく「ああ」と呟いた。そして、ぷっと噴き出す。

「なんだ、そんなこと気にしてたのか。可愛いな」

 気を許したような笑顔と、ナチュラルにつけ加えられたひと言にギョッとした。

 ……いや違う、ドキッとしたんた。久しぶりすぎて一瞬わからなかった、このときめく感じ。今の〝可愛い〟はからかわれたのも同然だろうに、まんまと胸が反応してしまった。

 顔が赤くなっていないだろうかとちょっぴり動揺するも、網坂さんはまったく気にしていない様子だ。

「そもそも俺が意地悪なこと言うのがいけないんだし、おあいこだよ」
「自覚あったんだ」

 つい正直に言ってしまう私に、彼はまたおかしそうにくくっと喉を鳴らした後、これまでになく柔らかな瞳をこちらに向ける。

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