アラフォーバツイチ、花ざかり。
臆病なのに、時々大胆

 ゴールデンウィーク真っ只中の金曜日。カレンダーでは祝日ではない今日、私はいつも通り出社してお客様の相談に乗っている。

 世間では休みの人が多く来客が増えるので、予定はきっちり詰まっている。今お話ししているのは、おそらく四十代後半の穏やかな印象の男性と、私より若そうな綺麗な女性のカップルだ。

「ご結婚間近なんですね。おめでとうございます!」

 ふたりの幸せな雰囲気に影響され、こちらもほんわかした気持ちでお祝いする。彼らは少し照れたような笑みを浮かべ、「ありがとうございます」と頭を下げた。

 近いうちにこの女性も〝永嶋(ながしま)さん〟になるんだなと、記入してもらった用紙を見てほくほくしていると、男性が口を開く。

「僕らは再婚同士なんですが、マイホームを持ちたいと思ったのは初めてで。お互いもういい年だし、結婚と同時に思いきって家を建てようと思って、何社か回らせてもらっているところなんです」
「そうでしたか。こちらにも足を運んでいただけて嬉しいです」

 当たり障りなく返しながら、おふたりも離婚経験があるのね、と急に親近感を抱く私。バツイチ同盟に誘いたくなるけれど、再婚する人は加入できないという暗黙のルールがある。残念だ。

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