深夜2時。君のとなりで ――世界中が知っている彼を、私だけが知らなかった
客室に戻った柚子は天井を見上げながら自問自答した。
これは非常事態が生んだ『つり橋効果』ではないのか。
けれど、Chamomileのデモを聴いた時の震えるような感動も、LAMPで背中を並べて座っていた時の心地よい沈黙も、すべては地震が起きる前のことだ。
翌朝、キッチンで再び向き合った時、柚子の答えは決まっていた。
「……あのお言葉に甘えて。ここにいさせてください。それと」
少し視線を泳がせながら、彼女は続けた。
「……『好きです』の方も」
その瞬間、九条の顔が、見たこともないほど崩れた。
静謐な仮面が剥がれ落ち、年相応の、一人の男としての歓喜が溢れ出したような、素の笑顔。
「……ありがとうございます」
その眩しい笑顔を見つめながら、柚子は心の中で苦笑した。
たとえこれが、つり橋理論の勘違いだったとしても。
この温度の中にいられるのなら、今は、それでもいい。
これは非常事態が生んだ『つり橋効果』ではないのか。
けれど、Chamomileのデモを聴いた時の震えるような感動も、LAMPで背中を並べて座っていた時の心地よい沈黙も、すべては地震が起きる前のことだ。
翌朝、キッチンで再び向き合った時、柚子の答えは決まっていた。
「……あのお言葉に甘えて。ここにいさせてください。それと」
少し視線を泳がせながら、彼女は続けた。
「……『好きです』の方も」
その瞬間、九条の顔が、見たこともないほど崩れた。
静謐な仮面が剥がれ落ち、年相応の、一人の男としての歓喜が溢れ出したような、素の笑顔。
「……ありがとうございます」
その眩しい笑顔を見つめながら、柚子は心の中で苦笑した。
たとえこれが、つり橋理論の勘違いだったとしても。
この温度の中にいられるのなら、今は、それでもいい。