深夜2時。君のとなりで ――世界中が知っている彼を、私だけが知らなかった
昨夜、LAMPで出会った『501号室の彼』だった。
黒い無地のTシャツに、色落ちしたヴィンテージのデニム。
昨夜はパーカーのフードでよく見えなかったが、こうして明るい朝の光の下で見ると、驚くほど整った顔立ちをしている。
髪には少し寝ぐせが残っていて、目元は、どこか気怠げだ。
昨夜の静謐な雰囲気よりも、無防備な顔をしていた。
Tシャツ越しにわかる肩幅の広さに、ふと彼が成人男性であることを意識させられる。
「おはようございます」
朝特有の、少し掠れた低い声。
耳の奥を直接撫でられるような心地の良い響きに、柚子は一瞬だけ瞬きをした。
彼は一拍おいて「早いんですね」と付け加える。
主語は無かったけれど、彼が深夜二時にカフェにいた人間であることを考えれば、それは柚子の行動時間に対する言及であろうと予測はつく。
「これから出社なんです。朝一に会議があって……」
エントランスを出ると途端に、冷たい冬の空気が肺を満たす。
駅の方へ歩き始めたところで、二人はごく自然に横に並んでいた。
「駅まで?」
「そうです」
「じゃあ一緒に」
黒い無地のTシャツに、色落ちしたヴィンテージのデニム。
昨夜はパーカーのフードでよく見えなかったが、こうして明るい朝の光の下で見ると、驚くほど整った顔立ちをしている。
髪には少し寝ぐせが残っていて、目元は、どこか気怠げだ。
昨夜の静謐な雰囲気よりも、無防備な顔をしていた。
Tシャツ越しにわかる肩幅の広さに、ふと彼が成人男性であることを意識させられる。
「おはようございます」
朝特有の、少し掠れた低い声。
耳の奥を直接撫でられるような心地の良い響きに、柚子は一瞬だけ瞬きをした。
彼は一拍おいて「早いんですね」と付け加える。
主語は無かったけれど、彼が深夜二時にカフェにいた人間であることを考えれば、それは柚子の行動時間に対する言及であろうと予測はつく。
「これから出社なんです。朝一に会議があって……」
エントランスを出ると途端に、冷たい冬の空気が肺を満たす。
駅の方へ歩き始めたところで、二人はごく自然に横に並んでいた。
「駅まで?」
「そうです」
「じゃあ一緒に」