One year left -家族ごっこ-
……どうして碧くんには何でも言えちゃうんだろう。


私は彼の引き締まったお腹に回した腕へ、ぎゅっと力を込めた。


なんだかんだ言って、碧くんはいつも私の話を逃がさずに聞いてくれている。


今まではずっと、自分の心のなかに深くしまい込んでいるだけだったのに。


「何時?」


不意に、前を向いたままの彼の声の温度が冷たくなる。


「え?」

 
「日曜、何時に会うの?」


「十二時に会って、お昼食べようって」


「どこで待ち合わせ?」


「駅前、だけど……どうしてそんなこと聞くの?」


広い背中に向かって問いかける。


碧くんはいつも通り、別に、とだけ言った。
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