One year left -家族ごっこ-

【牢獄】

ゴールデンウィークの初日。


私たちは家族四人で、動物園に行くことになった。


車の運転席におじさん、助手席にお母さん、そして後部座席に、私と碧くんが並んで座っている。


私はただ、流れていく窓の外の景色を眺めていた。


お母さんとおじさんは、楽しそうにずっとお喋りを続けている。


隣にいる碧くんは、何も言わずに黙々とスマホの画面をいじっていた。


動物園なんて、一体何年ぶりだろう。


お父さんに連れて行ってもらったのが最後だ。


狭い車内に、お母さんの明るい笑い声が繰り返し響く。


お母さんが笑っている。


その姿を視界の端に捉えながら、私は自分のなかが切ないほどの安堵で満たされるのを感じた。


お母さんが幸せそうで、本当に良かった。


お父さんのこと、もう思い出さないんだね。
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