One year left -家族ごっこ-
「碧たちはどうするんだ?」


おじさんが園内マップを持ったまま、少し困ったように私たちを見つめる。


「俺と姉さんは、適当に見てるから」


「家族みんなで行ったほうが楽しいんじゃないか?」


「せっかくなんだから、二人でデート、楽しんできなよ」


碧くんの言葉に、おじさんが照れたように頭を掻いた。


お母さんも嬉しそうに口元に手を当てて、おじさんと視線を合わせている。


「それがいいと思う!」


私も二人の背中を押したくて、すぐに賛成した。


「お母さんとおじさん、二人で楽しんできて!」


私たちに気を使わず、デートをしてきてほしかった。


碧くんが、半袖の袖口から覗く、無駄のない筋肉を宿した腕を動かして腕時計を確認した。


そのまま、園内マップの入園ゲートを指さす。


「四時半に、ここで待ち合わせしよう」
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