One year left -家族ごっこ-
お母さんたちに手を振って見送ったあと、碧くんが私のほうを振り返った。


「どこに行きたい?」


そう聞かれて、私は手元の園内マップを覗き込んだ。


隣から碧くんも顔を寄せてきて、ふわりと彼の香りが鼻をくすぐる。


「ふれあいコーナーかな」


「ちょうど今、触れる時間みたいだな」


「触りたい!」


つい、はしゃいでしまう。


内側から溢れてくるワクワクを、どうしても抑えきれそうにない。


案内板を頼りに広場へ行くと、たくさんの人たちがウサギやモルモットの周りに集まって、頭や体を撫でていた。


「可愛いね」


「そうだな」


「碧くんも触る?」


「俺はいい」


「じゃあ、私、触ってきてもいい?」


「どーぞ」
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