One year left -家族ごっこ-
その視線を辿って周囲を見渡すと、ポニーも、カンガルーも、ヤギも、狭い柵の中で全く動いていない事実に気がついた。


「みんな元気ないね」


「常に好奇な目で見られるのも、疲れるんじゃない?」


その声は低く、淡々としている。


「せめて隠れられる場所があればね」


「隠れたら、見せ物にならないだろ」


「そっか」


自分の足元に落ちる短い影へと視線を向ける。


楽しみにしていたはずの場所も、動物にとっては牢獄でしかないのかもしれない。


そう自覚した瞬間に、胸の隙間に冷ややかな空気が流れ込んだように、ひどく心が沈んでいった。
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