One year left -家族ごっこ-
「腹減らない?」


前を歩く碧くんが振り向く。


「そういえば、お腹すいたかも」


スマホのデジタル時計に目を落とすと、時刻はすでに十三時を過ぎていた。


「レストラン行くか」


「そうだね」


「席、空いてればいいけど」


「まだ混んでるかもね」


案の定、ガラス越しの店内は満席だった。


私たちは席が空くのを待つ間、隣接された土産物の一画で時間を潰すことにする。


棚には動物のキーホルダーや食器、可愛いぬいぐるみが綺麗に並べられていた。


何か今日の記念になるものを。


そう思って視線を巡らせていると、少し離れた場所に佇む碧くんが、無言でこちらへ向かって手招きをした。
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