One year left -家族ごっこ-
昼食を終えて、残りのエリアをすべて周った。


スマホの画面に目を落とすと、待ち合わせの四時半という時刻は、もうすぐそこにまで迫っている。


楽しい時間は、驚くほどあっという間に過ぎ去ってしまった。


私たちは最後に、またあのフラミンゴのエリアへと戻ってくる。


「やっぱり、フラミンゴが一番可愛い」


名残惜しさに背中を押されるように、碧くんに取ってもらったぬいぐるみを胸元できつく抱きしめた。


ふと顔を上げた瞬間、鉄柵の頭上には遮る屋根もネットも、一切ないことに気がつく。


「フラミンゴは、飛んで逃げないのかな?」


どこまでも高く広がる青空を指さした。


「動物園のフラミンゴは飛べない」


「どうして?」


隣に立つ彼の横顔を見つめた。
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