One year left -家族ごっこ-
「すいません。ちょっとビックリして」


悠生くんが落ち着いたように息を吐く。


「仲良くなれたことに?」


「はい。普段、碧は女子と話さないどころか、近づかせもしないから」


「そうなんだ……」


「すっげぇモテるし、ガンガン告られてるっすけど、誰も眼中にないみたいな」


悠生くんは手元のジュースをごくりと飲み干してから、また大きな口を開けてお肉を頬張る。


その気持ちのいい食べっぷりに、やっぱり男の子だなぁと感心しながらも、私はどこか不思議な気持ちだった。


だって、私にはむしろ、碧くんのほうから強引に近づいてきているように感じるのだけどな……


「でも中学の頃は凄かったっすよ。彼女いない期間ゼロみたいな。年上タメ年下関係なく、可愛い子とは全員付き合ったかもしれないっす」


「へぇ〜」


やっぱり、そういう時期もあったんだ。


碧くんならそっちの姿のほうが簡単に想像できて、私は少し苦笑いしてしまう。


「でも、高校の途中からいきなり女に飽きたって言い出して。それから誰とも付き合ってないんじゃないかな」


悠生くんが箸を止めて、記憶をたどるようにぽつりと上を見上げた。
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