One year left -家族ごっこ-
「確か、親が離婚するとかしないとか、家のゴタゴタがあった時期だったような……」


そして、悠生くんが何かを思い出したようにポンと手を叩いた。


「あっ!でも一人だけ、」


「一人だけ?」


「碧が本気だった彼女がいたんすけど、その人引っ越しちゃったから、遠恋は続かなくて自然消滅、みたいな」


「へぇ〜」


碧くんにも、本気で好きな子がいたんだ……。


驚いたような、私のなかが少しだけ曇るような。


なんだか、自分でもうまく説明のつかない変な感じがした。


「……って、俺喋りすぎました。碧には絶対に内緒にしてくださいね?」


悠生くんは慌てたように、バツが悪そうに自分の頭をかいた。


「大丈夫だよ。言わないから安心して」


私は笑って、人差し指を自分の唇にそっと当てる。


彼が紙コップのジュースをおかわりして、一度小さく咳払いをしたあと、まっすぐ私を見て言った。


「萩花さんって、ライン嫌いなんすか?」


「嫌い?どうして?」


「碧が言ってたから」


「え?どういうこと?」
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