One year left -家族ごっこ-
「さっき、私をいいなって言ってくれたけど、彼氏を作る気はないんだ」
私はしっかりと前を向いて告げた。
「なんでっすか?」
「私、高校卒業したら県外に行くの。だから彼氏を作っても、それこそ遠恋になって自然消滅しちゃうだろうから」
「俺は遠恋でも余裕っす!浮気もしないし、一年経ったら追いかけます」
悠生くんの言葉はどこまでも真っ直ぐだった。
けれど。
「ううん」
私は静かに、まっすぐに悠生くんの目を見つめて首を振る。
「……地元に、何か一つでも未練を残して行きたくないの」
私の視線に込められた拒絶に、悠生くんが一瞬だけたじろぐ。
私には、卒業と同時にすべてをここに置いて消える覚悟ができている。
「振られたか?」
不意に、低い声が頭上から降ってきた。
いつの間にか、斗真さんが私たちの後ろに立っている。
その手には、また新しく焼き上がったお肉やフランクフルトが紙皿いっぱいにのせられていた。
「はい、まぁ……」
チラリとこちらを盗み見てから、悠生くんが困ったように眉を下げて頭をかく。
そんな彼の目の前へ、湯気を立てる香ばしい紙皿がドンと無造作に置かれた。
私はしっかりと前を向いて告げた。
「なんでっすか?」
「私、高校卒業したら県外に行くの。だから彼氏を作っても、それこそ遠恋になって自然消滅しちゃうだろうから」
「俺は遠恋でも余裕っす!浮気もしないし、一年経ったら追いかけます」
悠生くんの言葉はどこまでも真っ直ぐだった。
けれど。
「ううん」
私は静かに、まっすぐに悠生くんの目を見つめて首を振る。
「……地元に、何か一つでも未練を残して行きたくないの」
私の視線に込められた拒絶に、悠生くんが一瞬だけたじろぐ。
私には、卒業と同時にすべてをここに置いて消える覚悟ができている。
「振られたか?」
不意に、低い声が頭上から降ってきた。
いつの間にか、斗真さんが私たちの後ろに立っている。
その手には、また新しく焼き上がったお肉やフランクフルトが紙皿いっぱいにのせられていた。
「はい、まぁ……」
チラリとこちらを盗み見てから、悠生くんが困ったように眉を下げて頭をかく。
そんな彼の目の前へ、湯気を立てる香ばしい紙皿がドンと無造作に置かれた。