One year left -家族ごっこ-
それから私たちは、何も言葉を交わさないまま、残りの線香花火を一本ずつ、静かに、すべて消費していった。


夜の闇に爆ぜる金の糸が、何度も二人の横顔を照らし、そのたびに静かに消えていく。


最後の火の玉が地面に落ちて、急速に黒く冷めた。


パチパチという音が途絶えた公園には、頭上の街灯が落とす、白く静かな光だけが残る。


光と闇の境界線で、二人の影が仄暗く浮かび上がっていた。


碧くんは蝋燭の火を吹き消すと、砂の上に落ちたものを手際よくビニール袋へと回収した。


また自転車の荷台に乗り、家までの短い距離を滑り出す。


ペダルを漕ぐ碧くんの、広い背中を見つめる。


耳の奥で、さっきの彼の低い声が、規則的なチェーンの音に混ざって何度も繰り返されていた。


“父親に助けられたその命、あんたはどう生きていく?”


考えが、夜の闇の中をぐるぐると巡る。
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