One year left -家族ごっこ-
碧くんが髪を無造作にかきあげた。
光を深く透かした琥珀色の瞳が、鋭い金色の輝きに変わる。
その眩しい双眸(そうぼう)が、上からじっと私を見た。
「萩花。海、入る?」
「……ううん。私は、ここで見てる」
声が、情けないくらいに小さく掠れた。
視線を逸らして海へ目を向けると、岳くんが頭から豪快に海へと潜っているところだった。
そして少し離れた場所から、勢いよく跳ね上げて顔を出す。
凛がそれを見つけて、楽しそうに声を上げた。
彼女もまた、白い腕で器用に水を掻いて岳くんの元へと泳いでいく。
息を弾ませた二人の笑い声が風に乗って届いた。
「じゃあ、俺も行かない」
碧くんは海で騒ぐ岳くんたちを一瞥(いちべつ)すると、すぐに視線を私へと戻す。
耳の奥で、自分の心臓の音がうるさいくらいに鳴り響いた。
「どうして?私のことは気にしなくていいから、碧くんも二人と遊んできて」
せっかくの海だ。
私のせいで、彼の夏を奪いたくはない。
どうか私に構わず、みんなと一緒に楽しんできてほしい。
そう思ったのに。
「萩花が行かないなら、俺は行かない」
彼は私の隣に、どさりと腰を下ろした。
胸が震える。
碧くんはなんの迷いもなく、当たり前のような顔をして、私と同じ場所にとどまることを選んでくれた。
光を深く透かした琥珀色の瞳が、鋭い金色の輝きに変わる。
その眩しい双眸(そうぼう)が、上からじっと私を見た。
「萩花。海、入る?」
「……ううん。私は、ここで見てる」
声が、情けないくらいに小さく掠れた。
視線を逸らして海へ目を向けると、岳くんが頭から豪快に海へと潜っているところだった。
そして少し離れた場所から、勢いよく跳ね上げて顔を出す。
凛がそれを見つけて、楽しそうに声を上げた。
彼女もまた、白い腕で器用に水を掻いて岳くんの元へと泳いでいく。
息を弾ませた二人の笑い声が風に乗って届いた。
「じゃあ、俺も行かない」
碧くんは海で騒ぐ岳くんたちを一瞥(いちべつ)すると、すぐに視線を私へと戻す。
耳の奥で、自分の心臓の音がうるさいくらいに鳴り響いた。
「どうして?私のことは気にしなくていいから、碧くんも二人と遊んできて」
せっかくの海だ。
私のせいで、彼の夏を奪いたくはない。
どうか私に構わず、みんなと一緒に楽しんできてほしい。
そう思ったのに。
「萩花が行かないなら、俺は行かない」
彼は私の隣に、どさりと腰を下ろした。
胸が震える。
碧くんはなんの迷いもなく、当たり前のような顔をして、私と同じ場所にとどまることを選んでくれた。