One year left -家族ごっこ-
ゴツゴツとした岩場を、足元に注意しながら登っていく。
少し進むと、波の侵食で窪んだ岩の隙間に、小さなカニが動くのが見えた。
そのささやかな命の動きに、私の目は一瞬で釘付けになってしまう。
私は夢中になって手を伸ばし、捕まえようとした。
パシャリ、と冷たい海水を踏みしめる。
その微かな音と振動に気づいたのか、カニは素早い動きで岩場のさらに奥へと隠れてしまった。
必死に指先を隙間に差し入れてみたけれど、カニはもう、どこかへ行ってしまった後だった。
「……あ」
思わずため息を漏らす。
私の横で、碧くんが濡れた指先を伸ばし、あっさりと小さなカニを掴み上げていた。
「獲った」
彼は捕まえたカニを私の目の前に掲げて、挑発的に、少し悪戯っぽく私を見てくる。
そんな子供みたいな顔をする彼に、なんだか胸がくすぐったい。
「……次は、私が獲る」
悔しさが混ざった声を返し、私も負けじと次のカニを探した。
けれど、すばしっこい生き物は私の指先をすり抜けてばかりで、どうしても捕まえることができない。
少し進むと、波の侵食で窪んだ岩の隙間に、小さなカニが動くのが見えた。
そのささやかな命の動きに、私の目は一瞬で釘付けになってしまう。
私は夢中になって手を伸ばし、捕まえようとした。
パシャリ、と冷たい海水を踏みしめる。
その微かな音と振動に気づいたのか、カニは素早い動きで岩場のさらに奥へと隠れてしまった。
必死に指先を隙間に差し入れてみたけれど、カニはもう、どこかへ行ってしまった後だった。
「……あ」
思わずため息を漏らす。
私の横で、碧くんが濡れた指先を伸ばし、あっさりと小さなカニを掴み上げていた。
「獲った」
彼は捕まえたカニを私の目の前に掲げて、挑発的に、少し悪戯っぽく私を見てくる。
そんな子供みたいな顔をする彼に、なんだか胸がくすぐったい。
「……次は、私が獲る」
悔しさが混ざった声を返し、私も負けじと次のカニを探した。
けれど、すばしっこい生き物は私の指先をすり抜けてばかりで、どうしても捕まえることができない。