One year left -家族ごっこ-
「ちょっと相談があるの」


「なに!?」


待ってましたと言わんばかりに、夕紗が大きな目をさらに見開いて瞳を輝かせる。


「……残念だけど、碧くんのことじゃないよ?」


あらかじめ釘を刺す。


「なーんだ」


彼女は一瞬で脱力し、隣の空いている椅子を引きずってどさりと腰掛けた。


「夕紗、彼氏いるのにいいの?そんなに興味深々で」


それとこれとは別、とペロリと舌を出す。


「だって国際高校の合月碧(あいづき あお)だよ?まさか萩花の義理の弟になるとはね。あの超絶イケメンの有名人」


「私は知らなかったよ」


「萩花だけだよ。あなたバイトと家事と勉強にしか興味ないから」


「そうだね……」


私は小さく息を吐きながら、こめかみを指先で押さえた。


「それで、相談ってなに?」


そんな私を覗き込むようにして、夕紗は今度は真面目なトーンで聞いてきた。
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