One year left -家族ごっこ-
碧くんが、壊れ物を扱うように、私をそっと抱き抱える。


恥ずかしいから、降ろして。


そう思ったけれど、言葉を発することさえできなかった。


ドクドクと、頭の内側を支配する激しい頭痛。


その苦しさの中で、私の身体は彼の胸に触れた瞬間、ずっと張り詰めていた強張りが嘘のように消え去った。


まるで最初から彼の腕に収まるために作られていたかのように、自分のすべてを彼に委ねていた。


「身体、冷えすぎ。ずっと寒かったんだろ」


低い声が、鼓膜を優しく揺らした。


「うん……」


私は素直に頷いた。


気づけば、彼は私をシロクマの、大きな窓がある部屋へと連れてきていた。


高い太陽から、真っ白なひだまりが真っ直ぐに差し込んでいる。


あたたかく、ぽかぽかとした光。


碧くんはそのひだまりの中にあるベンチに、私を静かに座らせた。
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