One year left -家族ごっこ-
公園の開放的な芝生をあとにした私たちは、アスファルトの熱気が放射される歩道を渡り、隣接する巨大なタワーへと向かった。


高速エレベーターが、耳に軽い圧力をかけながら、私たちを一気に最上階へと吸い上げていく。


薄暗い近未来的な通路を抜けた先、天に届きそうなほどの高層の屋上展望台に一歩を踏み出した瞬間、視界のすべてが真っ白な光に灼かれた。


ガラスの壁の向こうに、無限のグレーが広がっている。


大都会を見下ろす空中庭園。


人間も車もすべてがただの無機質な点の集まりにしかみえない。


ここで、生きていくんだ。


私はガラスの壁にそっと指先を触れながら、胸の暗がりで静かに、冷徹な決意を固めていた。
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