One year left -家族ごっこ-
外へ出た瞬間、太陽光が真っ白に世界を灼きつけて、私の眩暈を激しく揺さぶった。


そこに待っていたのは、1人の大きな影だった。


「……碧くん?」


ビルの硬質な壁に背を預けて立っている。


「なんでここにいるの?」


私の問いに、碧くんは瞳をわずかに細め、ひどく冷めた低い声を落とした。


「親父たちはパチンコしてる」


「え?」


「近くの店で体験遊技とか言ってパチンコ打ったら、大当たりしてまだ帰れないって。親父から連絡きた」


「そうなんだ。……碧くんは何して待ってたの?」


「特に何も」


碧くんは短く吐き捨てて、顔を背けた。


「そのへんのショップとか適当に見たあと、ここで待ってた」


ぽつりと落とされた低い呟きが、都会の乾いた風に混ざる。


彼はこの照りつける太陽光の下、誰も自分を知らない無関心な都会の真ん中で、私がこのガラスのドアから出てくる瞬間だけを、ただじっと待ち続けていたのだ。


胸の奥が、ぎゅうと音を立てて引き千切られるように切なくなる。
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