One year left -家族ごっこ-
「……ライン、楽しい?」 


静寂を裂いて、私の口から勝手に言葉が飛び出ていた。 


心の中に隠していたはずの身勝手な衝動が、制御を失って形になる。 


碧くんは画面から顔を上げ、私を一度だけ、静かに見つめた。


「別に、普通」


低い声でそれだけ応じると、彼はまたスマホに視線を落とす。


一度見られただけなのに、私の身体の中に、まるで彼の指先で直接肌をなぞられたような熱がじわりと広がっていく。


その感覚に引き寄せられるようにして、私は一歩、また一歩と、ソファに座る碧くんの元へと歩み寄っていた。


「私はラインが嫌いだって、悠生くんには言ったくせに、」


濁った声で呟く。


私は彼のスマホを握る大きな手をぎゅっと掴んだ。


「自分はラインするんだね」
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