One year left -家族ごっこ-
鼻腔をくすぐる碧くんの匂いと、鼓膜の奥で小さく響く水音が、薄暗いリビングの静寂を甘く濁らせていった。
息が引きちぎれそうになるまで彼の熱を奪い尽くし、はぁ、と短い息を吐いて唇を離す。
繋がっていた銀の糸が、夜の人工光の下で一瞬だけ妖しくきらめいて切れた。
「あなたの、せいだからね」
瞳を大きく見開いたまま、嘘みたいに固まっている碧くんを背に、私は今度こそ自分の部屋へと走り去った。
部屋に駆け込み、バタンとドアを閉めて暗闇に背中を預ける。
激しく上下する胸の奥で、まだ彼の熱が暴れていた。
引き出しから取り出した桃色の貝殻が、私の指先の熱を吸い上げてなめらかに光る。
分かってしまった。
冷たい水をどれだけ流し込んでも癒えなかったこの渇きの正体を。
ただ、碧くんを、私だけのものにしたかった。
息が引きちぎれそうになるまで彼の熱を奪い尽くし、はぁ、と短い息を吐いて唇を離す。
繋がっていた銀の糸が、夜の人工光の下で一瞬だけ妖しくきらめいて切れた。
「あなたの、せいだからね」
瞳を大きく見開いたまま、嘘みたいに固まっている碧くんを背に、私は今度こそ自分の部屋へと走り去った。
部屋に駆け込み、バタンとドアを閉めて暗闇に背中を預ける。
激しく上下する胸の奥で、まだ彼の熱が暴れていた。
引き出しから取り出した桃色の貝殻が、私の指先の熱を吸い上げてなめらかに光る。
分かってしまった。
冷たい水をどれだけ流し込んでも癒えなかったこの渇きの正体を。
ただ、碧くんを、私だけのものにしたかった。