One year left -家族ごっこ-
反論の言葉すら見つからないまま、うつ伏せに押し倒された。


服の裾をするりとまくられ、無防備な背中に彼の指先が触れる。


背骨の窪みをなぞるようにして遡(さかのぼ)ってきた指が、下着の留め具へと迷いなく掛けられた。


プチリと小さな音がして、背中を締めつけていた防壁が頼りなく解放される。


「や……っ!」


焼き付けるような深いキスが背中じゅうに落とされていく。


大きな手のひらが腰の曲線を撫で上げるたびに、私の身体は甘く跳ねるように震えた。


このままじゃ、彼の熱さに何もかも溶かされてしまう。 


自分の肉体も、零れ落ちるみっともない声すらも、その全てが彼に支配されていった。


背中を灼くような口づけの余韻も冷めぬうちに、息をつく間もなく仰向けへと引っ繰り返される。


逃げ場を失った視界のすべてを、碧くんが大きな影となって完全に覆い尽くした。 

 
降ってくる唇を受け止めさせられ、口内のすべての酸素と甘さを奪い去るような深い口づけを施される。


はだけた服の隙間から、今度は私の腹部へと、大きな手がゆっくりと触れた。
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