One year left -家族ごっこ-
そこから胸元へ向かって、吸い付くように這い上がってくる指の動き。


焦りと強烈な羞恥心に突き動かされて、私は狂ったように脈打つ胸の真下で、必死に彼の手首を掴み取った。


「やめて……」


「なんで?」


「触らないで……」


「触ってほしくないの?」


意地悪に問いかける彼の瞳をこれ以上見ていられなくて、たまらず横へと顔をそむけた。


「見ないで、見られたくない……」


けれど、その抵抗すら予測していたように、捕らえたはずの碧くんの手首は私の拘束を簡単に掻い潜っていく。


私の両手をあっけなくすり抜けた、傲慢な指先が私の顎に触れ、強制的に彼のほうへと顔を向かされた。


全てを追い詰めるようにして見下ろす瞳は、いつだって逃げ道を完璧に塞いできた。


どうせ本当のことを言うまで、私の心の深淵を覗き続ける。


逃げられないと悟ったからこそ、自ら進んで白状する道を選んだ。
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