One year left -家族ごっこ-
私は彼の硬い手首を掴み、みっともなく熱を孕んで溶け出している、入口へとその指を誘導した。


「ここ……」


触れ合わされた皮膚の表面から、最深部まで染み渡っていくような、痺れるほどに甘美な刺激に満たされていく。


ついに触れてもらえたという途方もない歓喜。


奥底から湧き上がるドロドロに融けた興奮。


あまりの気持ちよさに耐えかねて、目尻から大粒の涙がぽろりと落ちていった。


碧くんと出会う前は、人前で泣いたことなんて一度もなかった。


泣いたらだめだと、自分を縛ってきた。


こんなふうに、誰かに触れられたいと思ったこともなかった。


誰かに触れたいと、その体温が欲しいと願ったこともなかった。


みっともない声を上げて、誰かに助けてと懇願することなんて、私の人生にはあり得なかったはずなのに。


碧くんの指先が、柔らかい愛逢(あいま)へと、割り込んでくる。


そこに潜んでいた、熱く昂(たかぶ)った一番弱いところに、指の腹がじっくりとあてがわれた。
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