One year left -家族ごっこ-
「……それって、計算?」


不意に上頭から降ってきた声は、これまでのどんな意地悪なトーンよりも低く、獣のように低く押し殺されていた。


夜空に爆ぜた巨大な花火の光が、彼の興奮に余裕をなくした素顔を、暗闇のなかに妖しく照らし出した。


私を手のひらで転がしていたはずの彼の完璧な顔立ちが、ひどく強張っていた。


「俺を煽ってるのか……?」


碧くんは私の内側からゆっくりと引き抜いた、蜜に濡れた自身の指先を琥珀色の瞳で見つめ、それを自らの形の良い唇で舐めとる。


そのサディスティックで狂おしい愛の仕草に、心臓が爆発的な音を立てた。


私を閉じ込めるように四つん這いで覆いかぶさってきた彼が、小刻みに戦慄するように震えているのが分かる。


「優しくしようとしてるけど、……理性が吹き飛びそうだ」


そう呟くと同時に、碧くんの唇が私の唇を深く塞いだ。


隙間すら拒絶するほどに荒々しく、深くむさぼるような、溺れる口づけに沈んでいく。


やがて唇が離れたとき、彼の乱れた髪が私の顔を覆う。
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