One year left -家族ごっこ-
碧くんは身体を起こすと、苛立ちを孕んだ乱暴な手つきで、自身の上の服を一気に頭から脱ぎ捨てた。


シーツの上に放られた布地が、静かな衣擦れの音を立てる。


「……あっ、……」


遮るもののなくなった彼の肉体が露わになった。


その瞬間、夜空の向こうでまた巨大な花火が鮮烈に爆ぜる。


白く柔らかな光の波が、カーテンの隙間から滑り込んで、彼の広大な上半身を容赦なく照らし出した。


鎖骨から胸元へと繋がる滑らかな皮膚の裏側で、男らしく隆起した胸筋が、激しい呼吸のたびに大きく上下している。


無駄な脂肪などひとかけらもなく、冷徹なまでに美しく研ぎ澄まされていた。


光が消え、濁った桃色の斜光が次に部屋を染め上げる。


陰影の明滅のなかで、彼の引き締まった腹筋の溝が、深く、生々しく壁に影を落とした。


私を完全に壊し尽くすために用意されたようなその頑丈な筋肉のしなりに、私は視線すら奪われて動けない。
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