One year left -家族ごっこ-
お風呂から戻ってきて、お昼に碧くんが友達と食べたピザの残りを、私たちはリビングで分け合った。
完全に冷え切ったその一切れを静かに口へと運ぶ時間は、どこか気だるくて、心地がいい。
深夜番組のまるい光が部屋をぽつりと白く照らすなか、ほとんど炭酸の抜けたジュースを一緒に喉へと流し込んだ。
ふと、ソファで隣に座る彼が小さくあくびをした。
「眠い?」
「ん、少しな」
壁に掛けられた時計の針は、もう零時をとうに過ぎている。
「そろそろ、寝よっか」
「一緒に寝るだろ?」
碧くんは当たり前みたいに、私を見つめた。
「……うん」
喉の奥から零れた私の小さな返事には、自分でも驚くほどの緊張が混ざり合っている。
洗面所の鏡の前で並んで歯を磨いたあと、大きな手に手首を優しく引かれるようにして、私は初めて彼の部屋へと足を踏み入れた。
ドアの向こうに広がっていたのは、シンプルに整えられた、静かな黒い部屋だった。
机も、革のソファもベッドも、すべてが綺麗な黒の一色で統一されている。
中央に置かれたローテーブルの黒いガラス天板だけが、窓からのぞく青白い月明かりを静かに撥(はじ)くようにして、暗闇の中に冷たくきらめいていた。
完全に冷え切ったその一切れを静かに口へと運ぶ時間は、どこか気だるくて、心地がいい。
深夜番組のまるい光が部屋をぽつりと白く照らすなか、ほとんど炭酸の抜けたジュースを一緒に喉へと流し込んだ。
ふと、ソファで隣に座る彼が小さくあくびをした。
「眠い?」
「ん、少しな」
壁に掛けられた時計の針は、もう零時をとうに過ぎている。
「そろそろ、寝よっか」
「一緒に寝るだろ?」
碧くんは当たり前みたいに、私を見つめた。
「……うん」
喉の奥から零れた私の小さな返事には、自分でも驚くほどの緊張が混ざり合っている。
洗面所の鏡の前で並んで歯を磨いたあと、大きな手に手首を優しく引かれるようにして、私は初めて彼の部屋へと足を踏み入れた。
ドアの向こうに広がっていたのは、シンプルに整えられた、静かな黒い部屋だった。
机も、革のソファもベッドも、すべてが綺麗な黒の一色で統一されている。
中央に置かれたローテーブルの黒いガラス天板だけが、窓からのぞく青白い月明かりを静かに撥(はじ)くようにして、暗闇の中に冷たくきらめいていた。