One year left -家族ごっこ-
毎週水曜日の放課後は、レッスンまでの間、いつもこの4人で過ごしていた。


ダンスの練習をして、ファミレスで夕食を食べたあと、一緒に課題をする。


それが私たちの決まったルーティンだった。


「ポッキー食べ終わったら、河川敷で練習しない?」


私の提案に、三人は一瞬だけ顔を見合わせ、それから弾けたように笑った。


「いいね!」


「春になったし、久しぶりに行こうか」


「賛成!」


三人とも、ふたつ返事で乗ってくれた。


その笑顔が私には眩しくて、痛い。


お母さんの目を盗んで、ダンスに逃げ込んでいる。


その後ろめたさが私をずっと苦しめていた。


喉の裏にへばりつくような、べったりとした罪悪感から逃れたくて、どうしても外の空気を吸いたかった。


軽くおしゃべりをしたあと、制服から動きやすいダンス着へと着替え、放課後の学校を後にした。
< 29 / 406 >

この作品をシェア

pagetop