One year left -家族ごっこ-
「ありがとう……」
両手が自由になった私は、手渡された銃を受け取り、不慣れな手つきでひな壇の一角へと銃口を向ける。
狙いを定めて、恐る恐る小さな引き金を引いた。
ポン、と乾いた音が響いたけれど、私の放ったコルクは的を大きく外れて、床のうえへと転がっていった。
「あ、また外れちゃった……」
おもちゃのコルク銃を構えたまま、私は小さく息を吐き出す。
碧くんが支払ってくれた代金の分、なんとか景品を落としたくて真剣に狙いを定めたけれど、私の腕前では棚に届かせることすらできなかった。
「貸してみな」
隣で見ていた彼が、低く笑うようにして私の背後へとゆっくり身体を寄せてきた。
碧くんの大きな身体に後ろから丸ごと包み込まれた瞬間、私の心臓はドクドクと不規則に、うるさいくらいの音を立てて跳ね上がり始めてしまう。
彼は左手に金魚の袋をぶら下げたまま、空いた右手で私の手の甲をしっかりと包み込む。
そうして、小さな引き金にかけていた私の人差し指のうえへ、彼の長い指先が吸い付くようにして重ねられた。
両手が自由になった私は、手渡された銃を受け取り、不慣れな手つきでひな壇の一角へと銃口を向ける。
狙いを定めて、恐る恐る小さな引き金を引いた。
ポン、と乾いた音が響いたけれど、私の放ったコルクは的を大きく外れて、床のうえへと転がっていった。
「あ、また外れちゃった……」
おもちゃのコルク銃を構えたまま、私は小さく息を吐き出す。
碧くんが支払ってくれた代金の分、なんとか景品を落としたくて真剣に狙いを定めたけれど、私の腕前では棚に届かせることすらできなかった。
「貸してみな」
隣で見ていた彼が、低く笑うようにして私の背後へとゆっくり身体を寄せてきた。
碧くんの大きな身体に後ろから丸ごと包み込まれた瞬間、私の心臓はドクドクと不規則に、うるさいくらいの音を立てて跳ね上がり始めてしまう。
彼は左手に金魚の袋をぶら下げたまま、空いた右手で私の手の甲をしっかりと包み込む。
そうして、小さな引き金にかけていた私の人差し指のうえへ、彼の長い指先が吸い付くようにして重ねられた。