One year left -家族ごっこ-
隙間なく密着した背中を通じて、この激しい脈動が碧くんにすべて伝わってしまっているのではないかと、恥ずかしさで頭がどうにかなりそうだった。


そのコントロールできない鼓動と連動するようにして、銃を握る私の指先までが、小さな震えを帯びてビクビクと細かく波打ち始めてしまう。


「萩花、息止めろ。……そこ、狙うから」


ポン、と小気味いい音が響いた瞬間、狙っていた景品が綺麗に後ろへと転がり落ちていく。


「獲れた。ほら、お前のな」


彼は私を包み込んでいた腕をゆっくりと解くと、落としたお菓子を店主から受け取って、私の手にそっと手渡してくれた。


碧くんにすべてを委ね、彼の優しさに全面的に寄り添って甘えている今の自分の状態が、ひどく心地がいい。


手に入れた小さな景品と、金魚の袋を大切に抱え直して、私たちはさらに人の密度が増していく境内の中央へと足を進めていった。


神社の本殿に近づくにつれて、裸電球のオレンジ色の光はますます眩しくなり、すれ違う人々の浴衣の色鮮やかさが、私の普通のTシャツ姿をよりいっそう夜のなかに白く浮き上がらせていく。


そのときだった。
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