One year left -家族ごっこ-
お父さんの愛を胸に、私自身の本当の幸福のために、胸を張って命を使い切るのだという、静かで頑なな決意だった。


隣に立つ碧くんがどんな言葉を書いているのかは、暗くてよく見えなかったけれど、彼が真面目な顔をしてペンを動かしているその広い背中を見つめているだけで、胸の奥がじんわりと温かいもので満たされていく。


書き終えたふたつの灯籠を、私たちはそっと静かに川面へと浮かべた。


水面へと溶け出すようにして、無数のオレンジ色の光の帯が、ゆっくり、ゆっくりと下流へ流れていく。


そのあまりにも美しい光景を、私たちはどちらからともなく手を繋ぎ合わせたまま、ただ静かに見つめ続けていた。


「……腹減った。また何か食うか」


しばらくして、碧くんが低く穏やかな声でそう呟き、私の手を引いて川べりの端にある小さな夜店の通りへと歩き出す。


その仄暗い夜店の片隅で、私はあるひとつの屋台を見つけて、思わず息を呑んで足を止めた。
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