One year left -家族ごっこ-
帰宅してすぐに、買ってきた道具を抱えて洗面所へと向かった。


「何から始めればいい?」


私が隣で尋ねると、碧くんは砂利の袋を器用にひらき、手元にあったボウルの中へと中身を移した。


「まずは砂利を洗う。そのまま入れると、粉で水が真っ白に濁るから」


「そうなんだ」


彼は蛇口から冷たい水を注ぐと、その大きな手をボウルの中へと差し込み、ザクザクと音を立てないように丁寧に砂利を洗いはじめた。


小さな愛ちゃんのために、こうして確かな手つきで作業を進めてくれている。


真っ直ぐな彼の優しさに、私の内側は心地よいぬくもりで満たされていく。


私は水が澄んでいく様子と、彼の綺麗な指先をただじっと見つめていた。


「水草は、砂利を敷いてから真ん中に植える」


碧くんは洗ったばかりの砂利を、リビングボードのうえにあるいびつなガラス鉢の底へと、静かに、優しく敷き詰めていく。


そして鮮やかな緑色の水草を真ん中へとそっと固定し、用意していたカルキ抜きの水を丁寧に満たしていった。
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