One year left -家族ごっこ-
喉の奥が熱くせり上がり、どんな美しい感謝の言葉も形を失って消えていく。


私の未来を、彼はこれほどまでに深く見つめてくれていた。


私はその場に身を屈め、彼の首の後ろへと両腕を回した。


一生離さないと誓う代わりに、大きな首筋にすがりついて、碧くんの身体をきつく抱きしめる。


次の瞬間、身体はあっけなく床から浮き上がった。


碧くんが私を抱え、軽々と立ち上がる。


「部屋まで送って行ってやる」


耳元で響いた声に、私は抱きついたまま、首を振った。


「嫌だ。行かない」


碧くんの足が音もなく止まる。


「だったら、どうするの?」


「……このまま、碧くんと一緒に寝る」


回した両腕に力を込め、彼の首筋に深く顔を埋めた。


離れたくない一心で、ただ、ぎゅっとしがみつき続けた。


「下の寝室に親いるよ。バレてもいいのか?」


「いいの。私がそうしたいから」


駄々をこねる私に、碧くんは諦めたようにため息を漏らした。


彼はゆっくりと身体を傾け、私をベッドの上へと優しく横たえる。


背中がベッドに触れた瞬間、小さく安堵して、彼の首筋からそっと顔を離した。


そのまま碧くんが覆い被さった。


「ただ寝るだけで済むと思ってる?」


「うん」


挑発するような彼の言葉を遮るために、回した腕に力を込め、その首を引き寄せた。


重なる唇の隙間から、甘い吐息が漏れる。
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