One year left -家族ごっこ-
「……俺を試さないほうがいいんじゃない?」


私を見下ろす彼の瞳に、悪戯(いたずら)っぽい不敵な光が宿る。


重い囁きとともに、碧くんは、私の唇を塞いだ。


飲み込まれそうになる前に彼の頬を両手で包み込み、その唇を押し留める。


「寝るだけだよ。碧くん激しいから、お母さんたちが起きちゃう」


彼の顔に、あからさまな落胆の色が滲んだ。


「……静かに、やる」


「ダメだよ」


無言のまま視線だけで抗議してくる碧くんの髪を撫で、私はベッドの枕元へと腕を滑らせた。


「ほら、今日は私が腕枕してあげるから。おいで?」


「……」


碧くんは観念したように、隣へとその大きな身体を横たえる。


シーツの上で、溢れ出る愛しさとともに、彼の頭をそっと胸元へと引き寄せた。


「碧くん、おやすみ」


腕の中に収まった彼は、私の首筋に顔を埋めたまま、低く不満げな声を漏らす。


「……俺は寝れない」


「よしよし。また、今度ね?」


うなだれたその大きな背中を、あやすように優しく何度も撫でてあげた。
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