One year left -家族ごっこ-
「私も出たい」


言葉が、迷うことなく口から溢れてきた。


心がみんなと一緒に踊りたいと叫んでいた。


突然の宣言に、三人の動きが一瞬だけ止まった。


「え、本当に!?」


驚きに上体をのけぞらせる希歩の隣で、


「ちょっと、嬉しすぎるんだけどっ!」


凛が弾んだ声を上げ、椅子から立ち上がって顔いっぱいに喜びを爆発させた。


大騒ぎする二人とは対照的に、夕紗だけは、まっすぐな眼差しで私を見つめていた。


深い喜びと真剣さをその一言一言に込めて、ゆっくりと紡ぎ出してくれた。


「……その言葉、ずっと聞きたかった。今まで文化祭には出ないの一点張りだったから。でも、うちはずっと、萩花と一緒にこの学校のステージで踊りたかったんだ」


彼女は手にしていた一本のシャーペンを、私の手元へと優しく差し出してくる。


「萩花の名前、ここに書いてくれる?」


夕紗は、私が自らの意志で、この舞台を望むのを待っていてくれたのだと思う。


「わかった」


手渡されたペンをしっかりと握り、申し込み用紙の四行目の空白に、自分の手で名前を刻みつけた。


書き終えた文字を満足そうに見つめたあと、夕紗は自信に満ちた表情で顔を上げた。


「最後の文化祭は、四人の完全体だね」


みんなを見渡して、力強く言った。
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