One year left -家族ごっこ-
とりあえず、お母さんに報告しよう。


電話すると呼び出し音もならないうちにお母さんが出た。 


『碧くん、どうだった?』 


「電話したら、ちょうど今帰ってくるところだって。良かったね。碧くんもう少しで帰ってくると思うから、安心して先に寝ててね」


『良かった。萩花、ありがとう。じゃあ、もう寝るわね』 


受話口から聞こえるお母さんの声は、さっきまでの重苦しさが嘘みたいに明るくなっていた。


「うん、おやすみ」 


役に立てたことが嬉しくて、自然と唇から笑みが溢れる。


心地いい達成感に包まれながら通話を切り、ふと、異質な気配を感じて顔を上げた。
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