One year left -家族ごっこ-
お母さんの、あの悲しそうな顔はもう二度と見たくなかった。


だから、対峙する相手を見据える。


「嫌だって言わないで」


「あんたのマザコン具合も、相当だな」


鼻で笑う碧くんに、一歩も引かずに言い返す。


「私はお母さんを守りたいだけ」


「守りたいって、俺を悪者にするなよ」


彼がさらに一歩、近づいた。


「悪者だなんて、思ってないよ……」 


掠れそうになる声を絞り出した。


勝手に家に入ってきたのは私のほうで、そんなこと思う資格もないし、何かあっても自分が我慢すればいいだけだと思ってる。 


けれど、お母さんのことになるなら話は別だ。 
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