One year left -家族ごっこ-
お母さんが彼に声をかける。


「碧くん、おはよう」


「……おはようございます」


碧くんが冷蔵庫からミネラルウォーターを取り出して立ち飲みする。


その隙に、私は食器を片付け始めた。


「朝ごはんは、食べていく?」


「うん」


お母さんは嬉しそうに準備し始める。


「おばさん、」


「なに?」


「……これからは、帰りが遅くなったり、外泊する日は電話するね」


はっとして碧くんを見る。


お母さんが笑顔で返事をした。


碧くんはご飯をよそうお母さんじゃなく、隣で食器を洗う私を見ていた。


心が締め付けられるようにぎゅっとして、何か温かいものが溢れてくる感覚がする。


私も自然と碧くんに笑いかけていた。
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