One year left -家族ごっこ-
焦って碧くんを見ると、彼はすでに私を見ていた。


「私たち年も近いし、上手くやっていけるよね?」


すがるように同意を求める。


心臓の音が、耳元でうるさいほどに響いていた。


もしも碧くんがここで首を横に振ったら、お母さんのせっかくの幸せが遠のいてしまう。


その不安に、指先までが冷たく凍りついたのは、ほんの一瞬のことだった。


「別に。俺たちじゃなくて、二人の話だろ」


近くの料理をすべて綺麗に完食した彼は、満足げに手を合わせてみせた。


「おばさん、ごちそう様。全部うまかった」


そうして、席を立つ。


「お姉さんに、軽く家の中でも案内してくる」


碧くんが私に静かな目配せをした。


「じゃあ、おじさん。お家のなか、少し見せてもらいます」


早くこの話を終わらせたくて、その場を逃げるようにして彼の後ろについて廊下に出た。
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